風邪、盲腸、アメリカ医療事情

朝起きたら喉が痛い、頭が痛い、体がだるい...やっぱり風邪だ。
「すぐ薬に頼る」と誰かに言われそうだが、さっそく風邪薬を服用。
せっかくの日曜日、つらい思いして一日過ごすより薬害で寿命を縮めた方がましだ。
風邪を気合で治す!と言う人もいるが、勝手にやって欲しい。
  
2-3年前にシンガポール出張中、盲腸になってしまったことがある。
何日かお腹が痛かったので、会社指定のクリニックに行って「盲腸かも?」
と医者に聞いたら「盲腸だったらいまごろのた打ち回ってるよ。」と言われ
とりあえず痛み止めだけもらって帰された。
1週間たって痛みがだんだんひどくなったので(でものた打ち回るほどじゃない)
ちゃんとした病院に行ったら、同じような事を言われた。でも念のために血液検査したら
医者が顔色変えて、「盲腸が破裂してるみたいだ、緊急手術!」といいやがった。
それまで自分は痛みには弱い方だと信じていたので、盲腸になんかなったらその痛みだけで
死んでしまうんじゃないかと想像していたが、1週間も我慢してしまった。
それ以来、ちょっと体調が悪いと素直に薬を飲み、医者にも行くようになった。
やせがまんして、またどっかが破裂したりしては困る。
  
手術決定後も実は歩いてホテルへ帰って、入院の荷物を持ってきた。
入院時にアメリカの保険は使えないので「デポジットを払ってください。」と言われた。
しょうがなく個人のカードで全額支払するはめになった。
シンガポールでもトップクラスの病院(Raffles Hospital)で、設備もアメリカ並み、
へそと下腹部2箇所に5ミリほどの穴を3つ開け、盲腸を取り除いたあと
24時間看護の個室に3-4日入院して、約US$7千、日本円で80万円ほど。
  
ちょうど同じ時期に、知り合いがサンノゼで盲腸になり、同じような手術受けた。
病院が保険会社に請求した金額がUS$21,000(245万円)、約3倍!
手術を安くすました自分は、保険会社に褒めてもらえるんじゃないかと思い
保険請求の電話をすると「あなたの保険は指定の医者以外はカバーしません。」
と冷たく言われてしまった...
会社の保険担当に電話すると、同じ事を繰り返す。
「俺は会社の出張中に病気になったんだぞー!、それでも人間かーっ!」とどなったが
"Sorry, we can't help you..." だって。
信じられんことだが、会社と保険会社の本性見たり、と思った。
  
傷口が開きそうになる様な交渉の結果、診断から手術まで24時間以内だったので、エマージェンシー
扱いとなり保険はカバーする事になった。
ただ実際にお金が戻ってきたのは3ヶ月以上あとの事だった。 
「あの書類が足りない、手術の詳細が必要...」などなど色々いちゃもんつけられた。
年間$3、000以上の保険金を差し引かれ、会社はそれ以上を負担しているのに
いざと言う時、このざまである。なのに、保険料は年々値上がりして行く。 
今日のSan Jose Mercuryの記事によれば、来年ふたたび9%上がるらしい。
殆どの人が3-4%の昇給しかもらえないのに、これは痛い。

One of the most expensive benefit categories is health care, and costs are expected to rise nearly 9 percent next year, according to Hewitt Associates, a global human resources company based in Lincolnshire, Ill. As a result, the average employee can expect to pay about $330 more in health care costs in the coming year, or about $3,600 in premiums and out-of-pocket costs.

最近、美容整形や高額の病気の手術を海外で受ける人が増えているそうだ。
確かにこんな保険料を払っていけない人には、飛行機代を差し引いてもおつりが来るかも。
最先端と言われるアメリカの医療技術だが、保険に関しては...なんかおかしーぞー!