マウンテンライオン公衆安全法案

Senate Bill 132 "California Mountain Lion Public Safety Bill"と言う法案が正式に通ったそうだ。これは去年ハーフムーンベイで、住宅地に現われた、生後4ヶ月のマウンテンライオンを州の役人が「処分」してしまった事件で世論に火がつき、ついには法案になってしまったようである。
  
まだこの目で見た事はないのだが、いつも山の中のトレイルで走っている時に正直一番ビビっているのはマウンテンライオン。コヨーテやガラガラヘビも怖いが、何と言ってもライオンに鉢合わせになったら勝てる気がしない。ただ、その反面非常に魅力的で、ぜひ一度野生で生きている姿を見てみたいとも思っている。
新しい法案では、例えばマウンテンライオンが裏庭に入り込んでも、「公衆の健康や安全に対する、差し迫った危険」が無い場合は、野蛮なアメリカ人のようにすぐ殺してはいけない。追い出す、捕獲、麻酔銃などの手段が認められて、怪我の治療、トラッキングバイスの取り付け、別の場所へ輸送して放すことも出来るようになる。
まあ、子猫サイズのマウンテンライオンが家に来たら、すぐライフルで殺そうとは普通は思わない。しかし狩猟が禁止されているマウンテンライオン、ここぞとばかりに撃ちたくなる人もいるのか? 個人的には野生の動物を保護する事には賛成なので、良かった事だと思ってニュースを聞いていた。
  
ところが、Time Magazineの記事には、ここ50年ほどでアメリカ国内の野生動物は劇的に数が増え、例えば鹿と車の事故、イノシシが住宅などを荒らすことなどが急増しているそうだ。マウンテンライオンに関しては、「アメリカに白人が入植してきたころよりも頭数が増えている」かもしれない、とのこと。これは以外。てっきり絶滅危惧種なのかと勝手に思い込んでいたが、保護されているだけで、頭数に関してはここ数年安定しているらしい。California Department of Fish and Wildlife参照。
  
ふむ、そう言われてみると、最近アライグマの親子が裏庭に来たり、ガレージに入って来たりしたことがあった。サンノゼでも増えすぎたイノシシの被害が増えて、市内でも狩猟が許可されることになった。マウンテンライオンも増えすぎると、そこいらのトレイルで無防備なランナーを襲ったりし始めるのか。それはちょっと怖いなあ。ライオンが潜んでいるかもしれない山の中を走るのは、スリルがいっぱいでドキドキするが、命がけでトレランするのもいやだし。。。
とは言え、マウンテンライオンに襲われて死ぬ確率は、雷にうたれて死ぬ確率の1000分の1、過去123年間に16人の死亡例しかない。であれば、思いっきり保護してあげたい、と言うのが今夜の結論。