Western States 100-Mile Endurance Run

レイクタホのSquaw Valleyから、Auburnの町までトレイルを走るレース。100マイル(160km)レースとしては、世界で一番歴史があり、トレランの仲間達の憧れでもある。もともとは馬で100マイル走るレースだったのだが、Gordy Ainsleigh(写真)さんが1974に自分の足で走ってしまったことから始まったとの事。そう、すべてはこのおじさんのせいですw。残念ながら会えなかったが、Most interesting man in the worldといった風貌。

  
その歴史についてはWS100のサイトから抜粋。

In 1955, the late Wendell T. Robie with a party of five horsemen rode the Western States Trail from Squaw Valley to Auburn, proving that horses could still cover 100 miles in one day. Through his energy and vision, he subsequently founded the Western States Trail Foundation and organized the annual Western States Trail Ride, also known as the Tevis Cup “100 Miles – One Day” Ride.

In 1974, with the inspiration and encouragement of Drucilla Barner, 1st woman to win the Tevis Cup and Secretary of the WSTF, Tevis veteran Gordy Ainsleigh joined the horses of the Western States Trail Ride to see if he could complete the course on foot. Twenty-three hours and forty-two minutes later Gordy arrived in Auburn, proving that a runner could indeed traverse the rugged 100 miles in one day.

  
San Jose FitでコーチをしていたLarryも3−4回走っているので、よく話には聞いていたが、今回日本から参加される市民ランナーの方のサポートクルーとして参加する事ができた。レースのすべてを楽しむには金曜日から泊まりで行くのが良かった。ただ、実はこの週末は結婚記念日で、泊まりで行くのは後が怖いので、土曜日の朝から移動し、日曜日の早朝に帰って来た。
  
レースは午前5時にSquaw Valleyを出発。標高のせいもあってかなり寒かった様だ。自分は62マイル(100km)付近のエイドステーション(Foresthill)に午後1時半ごろ到着、トップランナー達の走りっぷりを見学。この日の最高気温は32℃、しかもほぼ無風。10km走るのも辛そうな天気だったが、さすがはエリートランナー達、疲れも見せず颯爽と通過していった。




  
今回日本から参加されたランナーは3名。自分がサポートしたYさんとは面識も無く、エイドで「初めまして!」と挨拶。すでに100km走って来たとは思えないほどの元気さ。いろんな食べ物や飲み物を持っていったが、すでにジェルでさえ喉を通りにくくなっていたようで、暖かいみそ汁とお茶を補給されていた。自分もレースの最後には食べ物を受け付けなくなるので、気持ちはよく分かった。少しでも胃がスッキリするようなものがあれば良いのだが、胃薬以外は思いつかない。カリカリ梅干しなども手渡し送り出した。
  
ここからペーサーをするSさんの車を、ゴール地点まで運ぶため、OさんとPlacer高校まで行き、再びForesthillまで乗せてもらって来て落としてもらう。看護婦で夜勤明けのOさん、なんと一睡もせずに応援に来ていた!
自分はその後、Green Gateというエイドステーションに向かう。そこでもしSさんの膝の具合が悪ければ、ペーサーを交代するかもしれないので、一応ペーサー登録も済ませておいた。今だから言えるが、実はペーサーと走る事については非常にビビっていたw。 Yさんは自分より数段速いランナー。いくら80マイル走った後だとは言え、余裕を持って引っ張ることは難しいだろう。しかも、Green Gateの通過がちょうど暗くなる午後9時過ぎ。その後5−6時間真っ暗な闇の中を走る訳である。夜中に走った事も無い自分にとっては非常に厳しい条件。幸い、Sさんはエイドに着いた頃には絶好調の様子で、そのままペーサーを続けてくれた。
  
ちょっと時間の計算を間違ったのか、ForesthillからGreen Gateまでの移動はギリギリだった。何せ山の中のトレイルを走るこのレース。車を狭い道路脇に停めて、エイドステーションまで2−3マイル歩いて行った。お湯のポット、ランナーの荷物、食べ物などを抱えて歩いていたら、やばっ!間に合わないかも。 慌てて走った。暗くなった山道を、荷物を抱えて走っていたらすっかり汗だく。結局Yさん達がエイドに到着する20分ほど前に着いたのだが、焦った。。。 ここでもYさんはみそ汁くらいしか補給していなかった。残り20マイル、体力が持つかが心配だった。
  
次はHwy49のエイドステーションに移動。ここはWay Too Cool 50Kレースで走った場所。同じ場所にエイドがあったので覚えていた。Coolの町に車を停めて、40分ほど仮眠。その後シャトルバスでエイドに移動したが、すぎにYさん達が現われた。自分が予想していたよりかなり速いペースで走っている。すごい。
93マイル走ったYさん、意識ははっきりしていた。普通に会話出来ていた事に感心していた。このころになると、ランナー達は意識朦朧、幻覚を見たり、訳の分からない事をつぶやいたりするのかと思っていた。体力もそうだが、やはり精神力の強さを見せつけられた。 再びみそ汁などを補給して、最後の10kmほどのフィナーレ。自分はゴールに車で移動。
  
ゴール地点に車を停め、カメラを持ってコースを逆走。1マイルほど戻って最後のエイドで待とうと思っていたら、なんと二人の姿が見えた! これには、人ごとながら大興奮! 高校のトラックに入って来て、少し一緒に走ったら感動してしまった。

  
100マイルを24時間以内に完走すると、ランナーたちの憧れ、Silver Buckleがもらえる。Yさんは何と、21時間25分の素晴らしいタイムで完走! おめでとうございます! 
  
100マイルレースを完走するか、100kmのレースを16時間以内に完走して参加資格が得られる。以前はAR50を11時間以内に走れば資格が得られたのだが、参加希望者の急増でQualificationがかなり厳しくなって来た。しかも、その中からくじ引き。300名ほどの参加者枠に3000人以上の応募者。トレイル使用上の規制から参加者枠を増やせないので、参加できるだけでも光栄なレース。 自分はどうだろう。。。今は絶対に無理なレースだが、目標に置いても良いのだろうか。
いい経験が出来た一日だった。